OCIへの移行で年間7,000万円のコスト削減。
168台・540TBへ拡張したクラウド基盤が生んだ成果とは

パナソニック デジタルは、オンプレミス基盤(Oracle Exadata)で運用しているパナソニック社内システムの統合データベース基盤にクラウドデータベース「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を新たに追加採用。販売統計分析システムで年間7,000万円のコスト削減を実現し、各システムでも10〜50%の削減が確認されています。現在、グループ内ではサーバー168台・容量540TB、大小25超のシステムがOCI上で稼働しています。
導入のポイント
小規模な業務システムから大規模システムまでOCIへ移行し、年間7,000万円のコスト削減を実現
性能・可用性を妥協せずに設計できることから、高速・堅牢で、コスト最適なOCI基盤を採用
案件ごとに適切な提案を行える豊富な実績と知見がパナソニック デジタルの強み
課題
  • グループ内の多くのサーバー・システムでリプレイス対応が迫っていた

  • ビジネスをより加速させるなら拡張性の高い基盤が必須

  • 求められていたのは、アプリ構成まで含めた全体最適の設計

解決
  • サーバ台数168台・容量540TB規模へ拡大。計25システムが稼働

  • オンプレミス時代からの経験を活かした設計・運用ノウハウを確立

  • グループ最大規模の販売統計分析システムで年間7,000万円のコスト削減

将来の事業成長に向けクラウド基盤が必須に

――クラウド移行に踏み切った背景から教えてください。

辻本氏 パナソニックグループで活用している各システムのハードやOSの保守切れが近づき、サーバーのリプレイスが急務になりました。変化の激しいIT環境で先を見据えたとき、拡張性を考えればクラウド基盤一択という見立てが社内で強まっていった、というのが出発点です。

――オンプレミスの蓄積は相当ありましたよね。

辻本氏 はい。オンプレミス時代からOracle Exadataを中核に大規模統合を続けてきましたが、将来のスケールとアジリティまで見通すと、「クラウド前提の再設計」に舵を切るのが合理的だと判断しました。OCIを用いた基盤構築・運用サービスは2024年2月ごろに開始。実質2年の間に、社内の多様なシステムのリプレイスを担い、実績とノウハウを蓄積してきました。

また、パナソニックグループのDXへの取り組み「PX(Panasonic Transformation)」の文脈でもITモダナイゼーションが推進され、クラウドを適材適所で活用する方針が確立されていました。オンプレミスで培った統合DB運用の知見があったからこそ、クラウド側でも品質を落とさず移行できる目算が立てられた、というのは大きいです。
パナソニック デジタル株式会社 インフラプラットフォーム統括部 プラットフォームサービス部 DB基盤課 課長 辻本 貴士 氏

アプリ部門とインフラ部門が連携し、最適なOCI構成を設計

――実行フェーズの体制と進め方を具体的に教えてください。

辻本氏 私たちDB基盤課がハブになり、アプリケーション部門と密に連携しながら、システム構築・運用まで含めた一気通貫の提案を行いました。担当範囲はクラウドのIaaSプラットフォームからOSレイヤー手前まで。要件に合わせて最適な仮想サーバー構成とDB設計を詰め、構成検討→検証→本番移行を標準プロセスとして回しています。

――難所だった案件はありましたか?

辻本氏 象徴的なのは販売統計分析システムです。利用者約1.8万人、60以上の連携、30TB規模で、アプリケーションサーバや負荷分散装置まで含めて全面クラウド化しました。1年以上、週次の定例会を継続して課題を前倒しで潰し続け、段階的な切り替えで安定稼働に持ち込みました。
外注ではなく、基本は内製です。課題が見えた瞬間に検証環境をすぐ立てて先回りのフォローを行い、スケジュール遅延なく通せるようにしています。結果として、移行済みシステムはいずれも安定稼働を継続できています。
OCI利用実績(東京リージョンのみ)

閉域網での通信費が安価!高速・堅牢でコスト面にも優れている点を評価

――数あるクラウドの中で、なぜOCIだったのでしょう。

黒崎氏 高速かつ堅牢なうえ、掛かるコストが安いところです。

Oracleと言えば、速度面やセキュリティ面では高い信頼性を得ているものの、その分、価格が高いというイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし実は、クラウド基盤としては後発である分、より最適な設計が施されていることもあり、コストパフォーマンスにもとても優れているのです。

利用頻度の高い仮想サーバや、クラウド移行で課題になる通信コストも他社と比較して安価に設定されています。特にオンプレミスサーバーとクラウドサーバー間の通信費用が他クラウドよりも安価に設定されているので、とてもありがたいと思っています。

また通信コストが安価ということは、クラウドへのリプレイス時に、コストを見通しやすいという利点もあります。

オンプレミスの構成を確認する際、ネットワークのトラフィックまで事前に細かく調べきれるかと言われると、なかなか難しい。そのため、通信費用の見積もりはどうしても甘くなってしまいがちです。その点、OCIは通信費を含めた全体像を比較的シンプルに設計できるため、見積もりはより正確になりますし、トータルの額も安くなる。これは利用者側からしても提案側としても、大きなメリットではないでしょうか。

――データベース基盤としての適合性はいかがでしょうか。

辻本氏 オンプレミスで長年使ってきたOracle Exadataの延長線として、OCIにはExadata Database Service on Dedicated Infrastructure(ExaDB-D)があります。オンプレミス同等のパフォーマンスや可用性をクラウドで専有環境として確保でき、CPUを無停止で増減できる運用の俊敏さも実際の現場で効いています。
パナソニック デジタル株式会社 インフラプラットフォーム統括部 プラットフォームサービス部 DB基盤課 黒崎 翔 氏

各システム10~50%のコスト減を実現!大きいものでは年間7000万円の削減に

――導入効果についても教えてください。

辻本氏 オンプレミス環境から、OCIのクラウド環境に移行させたことで、各システムいずれも10~50%の幅でコスト削減に繋がっています。中でも、国内の家電販売情報を一元管理する「販売統計分析システム」については、年間7000万円の削減となりました。利用者1万8000人、連携システム60、データ保有量30TB、さらにはデータベースのみならず、アプリケーションサーバや負荷分散装置などすべてをクラウド化させた他に類を見ないその規模感から、多くのメディアにご紹介いただきました。大きなデータベースを使うシステムほど、削減幅はより大きくなる傾向にありますね。

2026年2月時点での、パナソニックグループ全体でのOCIの契約状況は、サーバー台数168台、容量540TB、運用DB数は130。月1万円程度の小さな仮想サーバーから、何万人もが同時に使うような販売システムまで、大小合わせて25を超えるシステムがOCI上で稼働しています。

なお我々としては、単純にコスト面だけでなく、OCI導入には「ビジネスを加速させやすい」というメリットがあることも併せて挙げておきたいと考えています。

「最初の導入を低コストで進められる」、「必要に応じて再起動ひとつで性能を上げられる」、「ダメならすぐに辞められる」というのは、クラウド、およびCOIならではの利点です。どんどん新しいハードやサービスを使って、「やりたいこと」にチャレンジできる環境が整いますので、ぜひ上手く活用して成長に繋げていただきたいと思っています。

「豊富な知見と実績」「複数部門との連携」がパナソニック デジタルの強み

――パナソニック デジタルは、こうしたパナソニックグループ内での OCI導入・運用実績をもとに、グループ外のお客様にもOCIの構築・運用サービスを提供していますね。OCIベンダーとしてのパナソニック デジタルの強みはどこだと感じていますか?

辻本氏 やはり「豊富な知見と実績を持っている」こと、そしてインフラ・DB以外の「他部門と密な連携を行える」ことだと思います。

●豊富な知見と実績を持っている
辻本氏 かつて私たちDB基盤課は、オンプレミスのDBの構築・運用に長年携わってきました。実はオンプレミスのDBは、DBの知識だけでなく、ネットワーク、セキュリティ、OS、ミドルウェア、I/Oといった多彩なジャンルの知識を有していなければ、品質の高い環境を構築できません。そのためDB基盤課には、必然的に多角的な視点から広い視野で課題解決を目指せるメンバーが揃いました。

加えてOCIのサービスインからの約2年間で、パナソニックグループ全社のOCIクラウド環境の構築を任されてきたことにより、豊富な経験を積むこともできました。

こうした知見と実績があるからこそ、なにか問題が起きそうな時は、早めに検証をスタートさせたり、細かく検証環境を作ったり、先回りのフォローが行うことができています。お陰でスムーズな環境構築を実現できるようになったと自負しています。

●他部門と密な連携を行える
黒崎氏 我々はDB構築を行うベンダーとして、「ただインフラを作る」だけではなく、「インフラ構築と共にプロジェクト全体を進める」ことを目的として動いています。

例えば先ほど代表事例として挙げた「販売統計分析システム」で言えば、1年以上掛けてアプリケーション部門と週次の定例会を行い、細かくその時の課題を潰しながら、仕組み作りを行いました。

プロジェクトにとって最適なクラウド環境を構築できる点や、プロジェクト全体を安心してお任せいただける点も、弊社の強みだと言えるのではないでしょうか。

多様なシステム移行を通じて知見を深化

――これからOCIを検討する企業に向けて、アドバイスがあれば教えてください。

辻本氏 パナソニック デジタルとしては、さらに多様なシステムの基盤構築に携わりながらナレッジを蓄積していくと共に、それらの経験を活かしてより手厚いOCI導入支援を、いろんな企業様に向けて行っていければと思っています。

特にITにあまり関わりのない企業様が、初めてOCIを導入するとなると、そのハードルはかなり高いものです。どう進めれば良いか迷う方も多いはす。パナソニック デジタルなら、いろんなパターンのシステムを手掛けてきていますし、アプリケーション部門と連携しながら最適な提案を提供できると思いますので、困りごとがありましたらぜひご相談いただければと思います。

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取材︓2026年2月16日 
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