SAP ERPの保守サポート終了を機に、製造基幹システムの大規模刷新に乗り出す
――まずは今回のプロジェクトを始動させた経緯について教えてください。「SAP ECC 6.0」の保守サポート終了(以下、EOS)がきっかけだったと聞いていますが。
田中 そのとおりです。パナソニックグループの国内製造拠点の多くは、 「部品表管理」 「材料調達・購買」 「受け入れ・検収」「在庫管理」「製造管理」「原価管理」「財務(買掛・売掛管理)」といった基幹業務にSAP ECC 6.0を使用していました。その保守サポート期限が2025年12月に切れることになり、国内製造26拠点の基幹システムをすべて「SAP S/4HANA」で刷新・統一することになりました。
――SAP S/4HANAの導入対象となった拠点の概要とシステムの規模感について確認させてください。
田中 26拠点は家電などの一般消費者向け製品(以下、B2C製品)を手がける工場が中心ですが、業務用空調といった法人向け製品(以下、B2B製品)を扱う工場も含まれています。ERPのユーザー数は約2,800人に上り、グループ内でも有数の大規模システムです。
パナソニック デジタル株式会社 製造SAPソリューション統括部 SAPサポート部 SAP運用第一課 課長 田中 宏侑
――各拠点における現場業務のプロセスはほぼ同一と考えてよいのですか。
田中 いえ、違います。業務プロセスは拠点によってさまざまで、生産形態もB2C製品は「計画生産」、B2B製品では「受注生産」もあります。SAP製品を初めて使う拠点もありました。
森 基幹システムと外部システムの連携状況にも拠点間で差がありました。ERPとサプライヤー契約を集中管理する周辺システムとの連携が進んでいる拠点とそうでない拠点があり、今回のSAP S/4HANA導入に合わせて周辺システムの活用レベルも均一化したいという思いがありました。
パナソニック デジタル株式会社 製造SAPソリューション統括部 SAP導入推進部 SAP開発課 課長 森 洋仁